タイでの会社設立の流れと費用

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タイに進出する場合、現地法人を設立することが一般的です。現地法人の設立には、会社名の登録、定款の作成、登記手続きなど、複数のステップが必要となります。本解説では、これらの手続きの流れを具体的に解説し、必要な費用や期間についてもご紹介します。

タイでの会社設立・9つのステップ

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タイでの会社設立・9つのステップ

一般的な手続きの流れと所要期間は以下の通りです。

  1. 事前調査と準備: タイにおける事業規制や会社形態、必要な手続きなどを詳細に調査し、設立準備を進めます。
  2. 出資者の決定: タイ人を出資者(発起人)として決定します。
  3. 書類作成: 会社名予約、定款作成など、登記に必要な書類を作成します。
  4. 出資者の申請: タイの出資者(発起人)が、関係機関への申請を行います。
  5. 登記住所・オフィスの契約: 会社の登記住所となるオフィスを契約します。
  6. 法人税登記: 商務省に法人設立の登記を申請し、法人格を取得します。
  7. 事業者登録: 付加価値税(VAT)の納税義務が発生する場合、税務署に事業者登録を行います。
  8. 口座開設: 法人名義の銀行口座を開設します。
  9. 就労ビザ申請: 必要に応じて、外国人の従業員のために就労ビザを申請します。

これらの手続きをすべて完了させるには、通常1ヶ月半程度の期間が必要とされています。ただし、手続きの複雑さや、提出書類の不備などにより、期間が延びる場合もあります。

タイ進出における5つの事業形態とその特徴

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タイ進出における5つの事業形態とその特徴

タイに進出する日本企業にとって、最適な事業形態を選択することは会社設立時に、非常に重要です。従来の「現地法人」「支店」「駐在員事務所」に加え、近年注目を集める「地域統括事務所・地域統括会社(IHQ)」、そしてコロナ禍を機に普及した「GEO・EOR・PEO」といった5つの形態が存在します。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

事業形態特徴メリットデメリット
現地法人法人格を持つ意思決定が迅速、事業の自由度が高い設立手続きが複雑、費用がかかる
支店本社の延長線上に位置付けられる設立手続きが比較的簡単設立できる業種が限定されている
駐在員事務所情報収集や連絡調整を行う設立手続きが簡単、費用が比較的安い営利活動が制限される
IHQ地域統括を目的とする税制優遇措置がある設立条件が厳しく、自由度が低い
GEO・EOR・PEO雇用代行サービスを利用設立手続きが簡単、費用が比較的安い、スピーディーな事業開始が可能営利活動が制限される場合がある、事業規模が拡大した場合に柔軟に対応できない場合がある

タイでビジネス始めるのに、どれくらいお金が必要?

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タイでビジネス始めるのに、どれくらいお金が必要?

タイで会社を設立する際には、さまざまな費用がかかります。今回は、その中でも特に重要な「最低資本金」「ビザ取得費用」「従業員賃金」「オフィス賃貸料」について、具体的な金額や注意点などを交えて詳しく解説します。

1. 最低資本金

タイで会社を設立する場合、外国企業は最低200万バーツ以上の資本金を用意する必要があります。ただし、これはあくまで最低額であり、事業内容や規模によっては、より多くの資本金が必要になる場合があります。

注意点
  • 入国管理局では、就労ビザの更新時に会社資産額が100万バーツ以上であることを要求する場合があります
  • 資本金証明は、タイ人名義の口座で行う必要があります
  • 外国人出資が39%以下の場合は、資本金証明が不要なケースもあります

2. ビザ取得費用

タイで外国人従業員を雇用する場合、一人あたり200万バーツの資本金が必要となります。これは、従業員のビザ取得にともなう要件であり、法人形態に関わらず適用されます。

3. 従業員賃金

タイでの従業員賃金は、職種や経験年数によって大きく異なります。一般的に、ワーカー(一般工職)の月額賃金は348米ドル、エンジニア(中堅技術者)の月額賃金は659米ドル程度です。

注意点
  • 賃金には、基本給の他に諸手当、社会保険料、賞与などが含まれます
  • 日本語を話す人材は、一般的に賃金が高くなります
  • 社会保険の事業主負担率は5%です

4. オフィス賃貸料

バンコク市内のオフィスビルの賃貸料は、1平米あたり月額600バーツから875バーツ程度が相場です。

注意点
  • 賃料の他に、保証金(賃料の3ヶ月分程度)と予約金(賃料の1ヶ月分)が必要な場合が多いです
  • タイでは、仲介手数料は通常貸主が負担するため、借主が支払う必要はありません

その他の費用

上記以外にも、以下のような費用がかかる場合があります。

  • 会社設立手続き費用: 弁護士費用、翻訳費用、登記費用など
  • 会計・税務顧問費用: 現地の会計事務所に依頼する場合
  • ITインフラ費用: コンピューター、ソフトウェア、通信費など

タイでの会社設立における優遇制度と注意点

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タイでの会社設立における優遇制度と注意点

タイで会社を設立する際、企業は様々な優遇制度を利用することで、事業展開を有利に進めることができます。しかし、その制度は業種や会社規模によって異なり、複雑な側面も持ち合わせています。

タイの優遇制度:BOIとIEAT

タイ政府は、外資系企業の誘致を促進するため、タイ投資委員会(BOI)とタイ工業団地公社(IEAT)という2つの機関を通じて、様々な優遇措置を提供しています。

  • BOI(タイ投資委員会) 主に製造業を対象とした優遇制度で、法人税の免税、輸入関税の免除など、多岐にわたる特典が提供されます。これにより、企業はコスト削減や事業拡大を図ることができます。
  • IEAT(タイ工業団地公社) IEATが管理する工業団地に進出する企業に対して、BOIと同様の優遇措置を提供しています。ただし、BOIほど幅広い範囲の優遇措置が受けられるわけではありません。

非製造業の優遇制度

非製造業の場合、製造業ほど多くの優遇制度が用意されているわけではありませんが、以下の様な方法で進出が可能です。

  • 資本金1億バーツ以上の会社: 外資100%の出資が可能
  • 外国人事業許可: 審査が必要ですが、取得できれば外資100%の会社設立が可能
  • 国際貿易センター(ITC): 卸売業向けの制度で、BOIの認可を受けられる
  • 貿易投資支援事務所(TISO): コールセンターなど、特定のサービス業向けの制度
  • タイ企業との合弁: 外資出資比率は50%未満となる

まとめ

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まとめ

タイで会社を設立する際には、自社の事業内容や規模に合わせて、最適な進出形態と優遇制度を選択することが重要です。

タイ進出成功の鍵は信頼できるパートナー

タイは、東南アジアにおける経済成長が著しい国の一つです。しかし、日本とは異なるビジネス慣習や法規制が存在するため、十分な情報収集なしに安易に進出することは危険です。そこで鍵となるのが、信頼できるパートナー選びです。

なぜパートナーが必要なのか?

スポーツや勉強と同じように、ビジネスにおいても経験豊富な人に教わることで、より早く、そして確実に目標を達成することができます。特に、異国の地でのビジネス展開は、多くの未知なる要素を含んでいます。

タイ進出におけるパートナーの役割

  • 現地情報の提供: タイの法律、文化、ビジネス慣習など、日本との違いを熟知しています。
  • 手続き代行: 会社設立、ビザ申請、銀行口座開設など、煩雑な手続きを代行してくれます。
  • ネットワーク構築: 現地の企業や政府機関とのネットワークを活かし、ビジネスチャンスを広げます。
  • リスク管理: 潜在的なリスクを事前に予測し、対策を講じます。

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